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2015年 夏 ミニチュア動画制作体験

夏休みのインターンを利用して大学生がミニチュア動画を作ってくれました。

 

S大学 経営学部2年

船倉くん

船倉くんの作品「生きねば。」

S大学 経営学部2年

佐川さん

佐川さんの作品「きょう、告白されました。」

1日目:プラモデル作り

小さい世界に慣れましょう!

ミニチュア動画はまずミニチュア作りから。

「手を動かして物を作ること」と「小さい世界に慣れる」ためプラモデル作りに挑戦。船倉くんはダイナミック(ミニチュアですが)に建物を、佐川さんは馬と馬車と兵隊さんを作りました。スケールは1/35。主に戦車模型などのミニチュアでよく使われるスケールでキットも豊富です。こちらのキットを作りました。

2日目:3Dスキャン体験

自分を3Dデータ化!デジタルになった私

ミニチュアの世界に自分を投入すべく、全身を3Dスキャンしました。

普段はiPadで使える3Dスキャナー、Structureを使っています(動画にリンク)が今回は精度を高めるために、身近に3Dスキャン&出力を体験できるデジモさんに伺いました。スキャンは回転台にのって1分間くらいで完了します。ポーズは、馬車のミニチュアを活かせるように佐川さんが御者、船倉くんがドナドナされる役です。デジモさんではフィギュア作成まで行っていますが、今回はデータだけを頂くことにしました。

3日目:3Dプリント体験

小さくなって帰ってきました

デジモさんから届いた3Dデータを3Dプリントします。

と、その前に秘密兵器Scanifyを投入し、顔のディティールをスキャン。

Scanifyは最大0.25mmという高精度なスキャナーで元は医療用に開発されたものだそうです。

ただしスキャン範囲に制限があるため全身スキャンには使えません。

3Dソフトでデジモさんからの全身データとScanifyの顔データを合成します。

さらに、ポリゴン数を減らしたりサポート材をつけたりと調整を行います。

これを3Dモデルを輪切りにしたスライスデータに変換。スライスデータが必要なのは、弊社にある3Dプリンタ(Mii Craft)が光硬化レジンにスライスデータを照射しながら積層していくプロジェクション式なためです。

MiiCraftは0.05ミリの細かさで積層でき、最大43mm×27mm×180mmのサイズのものが出力できます。約50万円で購入できますが、この価格帯でこの精度が出せるものはなかなか無いと思います。ミニチュア専門ですが・・・。

 

全身を3Dスキャン

高精度スキャナーScanifyで顔をスキャン

3Dソフト(Autodesk Maya)で全身と顔を合成

出力用に3Dモデルを調整(ポリゴン減、縮小、穴埋め、サポート材をつける、など)

3Dモデルをスライスデータ(輪切りにした画像)に変換

3Dプリンタ、MiiCraftで出力

 

出力されたら余分なレジンをアルコールで拭いて、UVライトで固めます。続いて色塗り。塗料が乗りやすくなる肌色のサーフェイサーを吹き付けて傷のチェックをします。

フィギュア塗装は何と言っても肌色、そして一色で塗らずに影も書き込んでいくことがポイントです。手間のかかる細かい作業ですが自分の手の中で物が人間に変わっていくのが面白いです。しかし顔って難しい。米粒に字を書くような細かさです。

4〜6日目:脚本作り

どんなことでもネタになる!

 

脚本作り1日目:

いよいよお話を考えます。課題は「自分のフィギュア」を使ってドラマをつくること。船倉くんは「自分フィギュアをセミに見立てて、捕まりそうになって必死に命乞いをする話」を考えました。佐川さんはちょっと悩み中。

 

脚本作り2日目:

船倉くんの「セミの話」はとても面白いものの課題が2つ。1つはリアルなセミは見たくない人が多いのでは?ということと、捕まえようとするの誰にするか?「子ども」「仕事につかれたサラリーマン」などいろいろアイデアは出るものの…。

佐川さんの方は難航しているため、みんなでアイデアを出しあうことに。せっかくミニチュアなんだからありえない話がいいよね、ということで…

・インターンが軍隊の隊長になる話

・冷蔵庫の中のケーキを勝手に食べた犯人を探す話

・ポエムを叫びながら街中をミニチュアが疾走する(コマ撮り)話

を考えましたがどれもピンとこず…。

ここでヒント。ドラマは「対立」「葛藤」「変化」です。

「対立」で話を進め

「葛藤」で感情移入

「変化」がなければやる意味がない

というドラマの定義の話をしました。

せっかく自分フィギュアでしかも複数体いるなら脳内の「葛藤」を映像化できるよね、ということになり…。

 

脚本作り3日目:

船倉くんは、セミと最も「対立」させやすいのは…と考えて「自殺志願の男」を登場させることにしました。限られた命しかないセミと、まだ生きられるのに自ら命を絶とうとする男を対立させるわけですね。素晴らしい。画コンテも書きました。

佐川さんはわかりやすく葛藤する場面として「告白されたとき」を考えました。いろんなことが頭を駆け巡りそうですね。

そして「変化」が必要なので、普通はしなそうなことをオチに持ってくることに。

 

対立 「行かないべき」と主張する主人公と「行くべき」と主張する人が対立する。

葛藤 主人公を追い詰める

変化 追い詰められた主人公が普段はしないことをする(自分の殻を破る)

 

という構造になることを目指しました。

 

7日目:撮影・アフレコ

ミニチュアに命を吹き込む!

 

撮影

撮影機材はEOS 60Dを使用。ミニチュアなので小さなものが撮れるように100mmマクロレンズを使いました。

 

アフレコ

映像を作るより先にアフレコをしてしまいます。そのほうが演技の自由度が広がるためです

8日目:編集→完成

映像づくりは共同作業!

 

 

編集

Adobe PremiereとAfter Effectsで編集。フィギュアの口を動かす加工、全体の色味の統一、エンドクレジットなどのテロップ入れも行います。カットの変わるタイミングやタイトルの出るタイミングなどを話し合いながら詰めていきます。

 

完成

作品をつくることは、最も雄弁な自己紹介です。二人とも自分らしい作品が作れたのではないでしょうか。

 

ミニチュア動画を制作して

【船倉】

ミニチュア動画はミニチュアフィギアをいかに人間らしく見せるかが難しく、人間味というものを改めて考えさせられました。制作に関しては、シナリオ構成を考えることから始まり、起承転結を考え、何を伝えたいのか、どのように表現すれば視聴者に伝わるのかを考えてシナリオを構成し話づくりの難しさを痛感しました。

撮影では、ワンシーンのためにいくつものカットを撮影し飽きさせない工夫をし、撮影し大変でした。

たった1.2分の動画を作るために何枚も何枚も撮り続けなければならないミニチュア動画だが、話が映像に変わっていく姿や、完成した時の達成感は計り知れなかったです。なんでもかんでも簡略する時代の中で、手間ひまかけたミニチュア動画はすごく面白く、楽しかったです。

 

【佐川】

ミニチュア動画の制作は、一部ではなく出演させるフィギュアから話の流れ、セリフ、撮影など制作するのに不可欠なことを本当に始めから最後まで制作したことが印象的だった。そのため、道のりが長く大変に感じられることもあったが、完成した作品を見た時はとても嬉しかった。

その中で自分が一番難しいと感じたことは、話の流れを考えることだった。

思いついたものやヒントをもらったもの、それぞれである程度までのあらすじはできるが、いざ作品として入りからオチまでの全てを考えるとなると頭が硬くなってしまい思考が止まってしまう。その止まってしまった考えから、作品として制作できるものにもっていくのが大変だった。これは、普段の生活で身の回りのことに対して観察力や好奇心が足りないのかと考えさせられた。

この制作を通じて、体験したことのない映像制作の流れや必要な視点、今の自分に欠けているものなど多角的に知ることができたので、大きな収穫になった。

2014年 夏 ミニチュア動画制作体験

大学1年生(18歳) : インターンシップを利用し、10日間で90秒の作品を制作

<フィギュアづくり>

1日目。

緊張しながらの出社。横で建物をる竹内くんのワイルドな刀裁きを横目に私は地味に色塗り。

2日目

この日もフィギュア作り。顔面の色塗りが究極に下手で、顔色の悪いフィギュアたちが生産されていく。あぁー...

3日目

パレットの使い方がなっていなかったようで、社長の小林さん苦笑い。

4日目

家とフィギュアがようやく完成にちかづいてきた。テーマは"雨"ときまり、「この雨は絶対にやまない」という名言(迷言?)が誕生。

<社員の方々との花火大会>

神宮での花火大会をオフィスから見物。

「やれといわれたらやるんだよ!」という小林さんの一言が心にささる。"そうだよなぁ"と思いながら心にメモメモ。

<ストーリー作成・撮影>

5日目

オチとなるネタを考えるも迷走。この日のひどいオチは「北京オリンピックの開会式で歌っていた女の子みたい」だった。orz

6日目

フラッシュをたいて雨の日っぽい写真を撮ろうとするも、とちゅうでその無意味さに気づき軽くショック。カメラが発泡スチロールの地面を削り、軽いあせり。

<編集・再撮影>

7日目

女の子の泣き顔を加工しようとするも、うまくいかなかない。痙攣少女になってしまう。苦戦。

 

8日目

建物にポスターを貼り再撮影。光の加減やアングルによってここまでかわれるものなのか!はぁ〜!とおどろいた。夜アフレコ。声の演技って難しい。

 

9日目

編集中肩に力が入りすぎて手汗でマウスがしめる。

編集した女の人の動きが"ヘッドバンキング"みたいになり一人苦笑。

 

<完成>

10日目

総仕上げ。

自分のったフィギュアがしゃべり、動くのはおもしろいなぁと感じる。

8/5   1日目  フィギュア作り

8/8   2日目  フィギュア塗装・話作り

8/13 3日目  フィギュア塗装・話作り

8/14 4日目  ジオラマ作り

8/18 5日目  仮撮影&ポスター作り

8/20 6日目  撮影

8/22 7日目  Photoshop加工と

       After Effectで口の動きの加工

8/23 8日目  追加撮影・アフレコ

8/25 9日目  編集

8/26 10日目編集仕上げ・完成

制作日程
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